【10月の株主優待の内容&利回りを調査(2023年版)】
総菜店｢RF1｣のロック・フィールド、ラーメン｢町田商
店｣のギフトHDなど人気優待のほか、新設優待も紹介

◆1月～12月までのお得な株主優待の内容はココでチェック！◆

2023年10月に権利が確定する株主優待の中から
注目すべきお得な銘柄＆株主優待内容を徹底調査！

　10月の株主優待は約30銘柄で、1年の中では銘柄数の少ない月となっている。しかし、人気惣菜店「RF1」などで使える株主優待券がもらえるロック・フィールド（2910）や、チョコレートやナッツなどのボリューム満点の詰め合わせが人気の正栄食品工業（8079）といった注目の銘柄が揃っている。

　また、今回から株主優待を新設した利回り6％超のウイルコホールディングス（7831）や、昨年に株主優待を導入した利回り9％超のAB＆Company（9251）など、高利回り優待株も見逃せない！ 全体の銘柄数が限られているからこそ、業績や値動きなどもしっかりチェックしつつ、株主優待生活を楽しもう！
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プロ品質のヘアケア製品が買える高利回りのAB＆Company、
デパ地下惣菜の定番ロック・フィールドなど優待券の人気4銘柄！

　まずは、買い物や外食をお得に楽しめる株主優待券がもらえる銘柄のうち、株主優待内容や利回り面で人気の高い4銘柄を紹介する。

■外食や買い物にうれしい株主優待券の人気4銘柄！
最低投資額	株主優待＋ 予想配当利回り	株主優待利回り	予想配当利回り	詳細情報
◆AB＆Company（9251）　【確定月】10月
11万9500円	9.04%	6.69%	2.35％
【株主優待内容】 8000円分の株主優待券を、100株で1枚、500株以上で3枚
【備考】自社オンラインストアで1会計に付き1枚を利用可（釣銭の支払い、次回への繰り越しは不可）
◆Hamee（3134） 【確定月】10月／4月
8万8000円	5.97％	3.41%	2.56％
【株主優待内容】 100株以上で1500円分の株主優待クーポン
【備考】自社通販サイト「Hamee本店」、または自社サービス「ネクストエンジン」で利用可（「ネクストエンジン」利用料割引クーポンは要申し込み）
◆ロック・フィールド（2910） 【確定月】10月／4月
16万6100円	1.98％	0.60％	1.38%
【株主優待内容】 そうざい券を、4月は200株で1000円分、500株で3000円分、1000株で1万円分、3000株で1万5000円分、5000株以上で3万円分。10月は100株以上で1000円分
【備考】「RF1」「神戸コロッケ」など自社ブランド各店で利用可。長期保有優遇制度があり、200株以上かつ5年以上の継続保有で、4月のそうざい券を各1000円分増額。他に、ファクトリー・オフィス見学会への招待（応募者多数の場合は抽選）
◆ギフトホールディングス（9279） 【確定月】10月／4月
25万7200円	1.36％	0.78％	0.58%
【株主優待内容】 100株で1枚、200株で2枚、400株で3枚、600株で4枚、1000株以上で5枚の優待電子チケット
【備考】今回から株主優待内容を変更。電子チケットは「町田商店」など自社グループの国内直営店で、券売機のメニューにどれでも使用可。「ラーメン豚山オンラインショップ」で1枚1000円分の割引クーポンとしても利用可能。長期保有優遇制度があり、1年以上の継続保有で各区分で1枚を追加。株主優待利回りは割引クーポン（1000円分）で計算
※株主優待の内容、最低投資額、利回りは9月15日終値時点

　昨年、株主優待を新設したAB＆Company（9251）は、配当＋株主優待利回りが9.04％と、今回紹介しているすべての銘柄の中でダントツに高い。自社オンラインストアで使える8000円分の株主優待券を、100～500株未満で1枚、500株以上で3枚もらえる。最低投資額は11万9500円（9月15日終値で計算、以下同）で、比較的投資しやすい金額と言える。

　株主優待券は、1会計につき1枚を利用可能。好きなものを個別に選ぶことももちろん可能だが、おすすめは6種類用意されている株主優待用のセット商品を選択すること。シャンプーやトリートメント、レフィル（詰め替え用）などがセットになっていて、合計8000円以上の商品がもらえる場合もあるのでお得だ。

　買い物系の株主優待では、配当＋株主優待利回りが5.97％のHamee（3134）も、かなりの高利回り銘柄と言える。自社通販サイトで使える1500円分の株主優待クーポンがもらえて、通常は所定の送料が発生するが、株主優待クーポンを使った場合は、送料無料になるのもうれしい。扱っているのは、スマホケースやカバーなどのスマホグッズなので、買い替えや買い足しを検討している人にはおすすめだ。

　また、配当＋株主優待利回りは1.98％とあまり高くはないものの、デパ地下の人気惣菜店「RF1」や「VEGETERIA」「神戸コロッケ」などで使えるロック・フィールド（2910）の株主優待も、見逃せない存在だろう。100株保有では10月のみ1000円分の「そうざい券」がもらえて、200株保有の場合は10月だけでなく4月にも「そうざい券」1000円分がもらえる。株主優待利回りは、100株でも200株保有でも変わらないが、200株以上を5年以上保有していた場合は、継続保有特典を受けることができる。

　外食系優待では、家系ラーメンの「町田商店」などを展開するギフトホールディングス（9279）が、2023年7月末に実施した1株⇒2株の株式分割に伴い、今回から株主優待の内容を変更している。分割後の100株保有から株主優待の対象となり、券売機のメニューをどれでも食べられる優待電子チケットが、100株で1枚、200株で2枚、400株で3枚など区分ごとにもらえる。優待電子チケットは、「ラーメン豚山オンラインショップ」でも使えるため、店舗が近くにない人でも利用しやすい。
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今回から株主優待を導入した高利回りのウイルコHDをはじめ、
萩原工業や正栄食品工業など「モノ」がもらえる注目の5銘柄！

　続いて、自社商品や選択制のカタログギフトなど「モノ」がもらえる株主優待の中から、新設の1銘柄＋注目したい4銘柄の計5銘柄を見ていこう。

■自社関連商品やカタログギフトがもらえる注目の5銘柄！
最低投資額	株主優待＋ 予想配当利回り	株主優待利回り	予想配当利回り	詳細情報
◆ウイルコホールディングス（7831） 【確定月】10月
14万6000円	6.16%	4.79%	1.37％
【株主優待内容】 1000株以上で7000円相当の商品（化粧品など）
【備考】今回から株主優待を新設。商品は子会社の笹岡薬品通販のものを予定
◆トーエル（3361） 【確定月】10月／4月
38万5000円	3.38%	0.78％	2.60%
【株主優待内容】 自社取扱商品（ピュアウォーターなど）を、500株で1500円相当、1000株以上で3000円相当
【備考】前回4月権利分は、500株がピュアウォーター280ml×16本、1000株以上はピュアウォーター280ml×24本＋「激落ちくん」2個
◆萩原工業（7856） 【確定月】10月
18万2900円	3.28%	0.55％	2.73%
【株主優待内容】 100株で1000円相当、1000株以上で3000円相当のオリジナルカタログギフト（区分ごとに3～4品）
【備考】今回の100株優待の内容は、マスキングテープ、デニム調シート、QUOカードの3種類。1000株以上は倉敷市産特別栽培米、自社製品詰合せ、十勝プレミアムアイスセットの3種類。長期保有優遇制度があり、3年以上の継続保有で区分ごとに2倍に増額
◆巴工業（6309） 【確定月】10月
30万6500円	2.61%	ー	2.61%
【株主優待内容】 100株以上で自社関連会社が取り扱うワイン1本
【備考】前回は「ビュー シャトー デ モワン サンテミリオン グラン クリュ 2017年」750ml
◆正栄食品工業（8079） 【確定月】10月／4月
52万9000円	0.91%	ー	0.91%
【株主優待内容】 100株以上で自社商品詰め合わせ
【備考】昨年10月権利分は、チョコレート、ナッツ、ドライフルーツ、マロングラッセなど全16品
※株主優待の内容、最低投資額、利回りは9月15日終値時点

　配当＋株主優待利回りが6.16％と、取り上げた5銘柄の中でもっとも高いのが、今回から株主優待を新設したウイルコホールディングス（7831）だ。手掛ける事業は商業印刷物の製造・販売だが、株主優待では、子会社の笹岡薬品通販が扱う7000円相当の化粧品などがもらえる予定となっている。笹岡薬品通販のオンラインサイトでは、主にオールインワンクリームや美容原液、白桃風味のスッポンジェリーを扱っている。
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する株主に化粧品などの子会社商品7000円相当を贈呈

　自社関連の食品や飲料を株主優待品としているのは、トーエル（3361）、巴工業（6309）、正栄食品工業（8079）の3銘柄。いずれも10月の株主優待としては定番的な存在だ。トーエルの優待品は、毎回自社で取り扱っているピュアウォーターが中心で、前回の2023年4月権利確定分は500株保有の場合、280mlのピュアウォーターが16本もらえた。巴工業の優待品は子会社が取り扱っているワイン1本で、金額は公表されていないが、仮に1000円だった場合、配当＋株主優待利回りは2.94％になる。

　また、チョコレートやナッツ、ドライフルーツなどがもらえる正栄食品工業も、株主優待品の金額を公表していない。こちらは市価から大まかに計算することが可能で、たとえば2022年10月権利確定分の株主優待品全16品の合計価格は、5500円程度と推測できる。多少低く見積もって5000円とした場合、配当＋株主優待利回りは2.80％と、まずまずの利回りになる。利回りはともかく、毎回かなりボリュームがあるので、もらってうれしい株主優待と言えるだろう。

　萩原工業（7856）は、数少ない10月の「カタログギフト株主優待」として人気が高い。100株と1000株以上の保有区分ごとに3種類の選択肢が用意されていて、100株保有ではマスキングテープ10巻き、デニム調シート（レジャーシート）、「QUOカード」（1000円分）の3種類から選べる。また、長期保有優遇制度もあり、3年以上の継続保有で保有区分ごとに株主優待金額が2倍にアップする。

　残念なことに、萩原工業は2026年10月を最後に株主優待を廃止すると発表している。ただ、今回を含めてあと4回は実施するので、今回から株式を保有し続けた場合には、2026年に継続保有特典を獲得できる。なかには権利日を過ぎてから優待廃止を発表する企業があることを考えると、非常に誠実な対応と言えるだろう。
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　なお、表組みには掲載していないが、HEROZ（4382）が今回からポイント式のカタログギフト「プレミアム優待倶楽部」の株主優待を新設した。株主優待の獲得には最低700株が必要で、最低投資金額は107万8700円と高額だ。カタログギフトが4月と10月の年2回もらえるのは魅力だが、株主優待利回りは0.65％に留まる。
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配当＋株主優待利回りが3％台後半のケア21など、
利回りと投資金額で選んだ「QUOカード」がもらえる3銘柄！

　最後は、汎用性の高い金券として知られる「QUOカード」がもらえる銘柄の中から3銘柄を取り上げる。
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■「QUOカード」が株主優待品の3銘柄！
最低投資額	株主優待＋ 予想配当利回り	株主優待利回り	予想配当利回り	詳細情報
◆ケア21（2373）　【確定月】10月
7万900円	3.81%	1.41%	2.40％
【株主優待内容】 100株以上で1000円分のQUOカード
【備考】特になし
◆泉州電業（9824） 【確定月】10月
33万8500円	3.25％	0.30%	2.95％
【株主優待内容】 100株以上で1000円分のQUOカード
【備考】長期保有優遇制度があり、1年以上の継続保有で2000円分に増額
◆SCAT（3974） 【確定月】10月
5万2400円	2.95％	0.95％	2.00%
【株主優待内容】 100株で500円分、300株以上で1000円分のQUOカード
【備考】特になし
※株主優待の内容、最低投資額、利回りは9月15日終値時点

　10月は残念ながら、突出して配当＋株主優待利回りが高い「QUOカード」銘柄がない。その中で、もっとも注目したいのはケア21（2373）だろう。必要投資額が7万900円と比較的手頃で、株主優待品は1000円分の「QUOカード」。配当＋株主優待利回りは3.81％で、そこそこ高利回りと言えるだろう。

　また、泉州電業（9824）は必要投資額が33万8500円とやや高めだが、長期保有優遇制度があるのが魅力だ。1年以上の継続保有で、もらえる「QUOカード」が1000円分⇒2000円分にアップする。ただし、継続保有特典を加味しても配当＋株主優待利回りは3.54％で、ケア21の利回りには及ばない。

　投資金額を押さえつつ「QUOカード」を入手したい人は、今年の5月にティビィシィ・スキヤツトから社名を変更した、SCAT（3974）を選ぼう。もらえる「QUOカード」は500円分だが、必要投資額は5万2400円と5万円台で済む。配当＋株主優待利回りは2.95％で、3％に迫る値となっている。

　権利確定日と権利付最終売買日も忘れずに確認しておこう。10月末が権利日の銘柄は、2営業日前の27日（金）が最終売買日になる。なお、今回から株主優待を新設したウイルコホールディングス（7831）とHEROZ（4382）、トーエル（3361）については、株主優待の獲得に複数単元が必要になる。購入前には最終売買日と必要単元数を再度見直して、目当ての株主優待を確実に手に入れよう！
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